暗号資産の自動売買に少しでも触れたことがあれば、グリッドボットの名前は耳にしているはずです。人気の理由は、仕組みが理解しやすく、相場が合えば驚くほどよく効くからです。同時に、もっとも誤用されやすい戦略でもあります。実際に何をしているのかを、順に見ていきましょう。
グリッドという考え方
ある資産の価格チャートを思い浮かべてください。そこに水平のグリッドを重ねます。現在値の上下に、等間隔で並ぶ価格の線です。ボットは現在値より下のすべての線に買い注文を、上のすべての線に売り注文を置きます。
価格が買いの線まで下がると、ボットは買い、すぐにひとつ上の線へ新しい売り注文を置きます。価格が売りの線まで上がると、ボットは売り、ひとつ下の線へ新しい買い注文を置きます。価格がグリッドを通り抜けるたび、グリッドは自らを埋め直していきます。
1回の取引を追う
BTCが$60kだとします。$55kから$65kまで、$1k刻みのグリッドを設定します。ボットは$59k、$58k、$57k、$56k、$55kに買いを、$61k、$62k、$63k、$64k、$65kに売りを置きます。
価格が$58kまで下がります。買いが2本約定します($59kと$58k)。ボットはそれを$59kと$60kの売り注文に置き換えます。価格が$60kへ反発すると$59kの売りが約定し、そのグリッド1本分にあたる$1kの利益が確定します。以後、往復のたびに同じことが繰り返されます。
グリッドが力を発揮する場面
グリッドが真価を発揮するのは、横ばい・レンジ相場です。設定したレンジの中で価格が往復するほど、グリッドが生む利益は増えます。規則的な押し目を伴う明確なチャネルが、理想的な環境です。
計算が成り立つのは、1サイクルごとに隣り合うグリッド間の値幅を取れるからです。往復が20回あれば、利益の出る往復取引が20回。価格が出発点とまったく同じ水準に戻ったとしても、です。
グリッドが壊れる場面
グリッドが機能しなくなるのは、価格がレンジの外へ出て戻ってこないときです。$55kから$65kにグリッドを敷いた状態でBTCが$80kまで走れば、ボットは上昇の道中でひたすら売り続けてきたことになり、すべてのポジションが不利な側に取り残されます。
対策は、保守的なレンジ設定、相場局面の見極め、そして撤退計画です。どの条件になったらグリッドを止めるのかを、あらかじめ決めておくこと。規律を守る仕事はボットが得意です。判断の仕事は、いまも自分のものです。そもそもグリッドが適さない場面については、グリッドとDCA — どちらをいつ使うかをご覧ください。
よくあるご質問
よくあるご質問
- グリッド取引ボットとは何ですか?
- グリッド取引ボットは、自分で決めたレンジの中に、一定の値幅で買い注文と売り注文を並べるボットです。価格がそのレンジ内で上下するたび、高い水準で売り、低い水準で買い戻し、往復ごとに値動きのノイズを利益に変えます。
- グリッド取引ボットはどう動きますか?
- 価格が買いの水準まで下がると、ボットは買いを約定させ、すぐにひとつ上のグリッドへ新しい売りを置きます。価格が売りの水準まで上がると、売りを約定させ、ひとつ下のグリッドへ新しい買いを置きます。グリッドは自らを埋め直し続け、往復のたびに隣り合う水準の値幅を取っていきます。
- グリッド取引ボットはどんなときに利益を生みますか?
- 価格が設定したレンジの中で上下する、横ばい・レンジ相場です。往復の回数が多いほど、利益の出る往復取引も増えます。規則的な押し目を伴う明確なチャネルが、理想的な環境です。
- グリッド取引ボットはどんなときに損をしますか?
- 価格がレンジの外へ出て、戻ってこないときです。価格がレンジの上へ抜ければ、ボットは上昇の道中で売り続けてきたことになり、不利な側でポジションを抱えたまま取り残されます。対策は、保守的なレンジ設定、相場局面の見極め、そしてレンジが崩れたときの明確な撤退計画です。
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