グリッドもDCAも人気があるのには理由があります。どちらも感情を排し、時間をかけてポジションを平均化していくからです。しかし内部では、相場について正反対のことを前提にしています。グリッドボットは価格が往復すると仮定します。DCAボットは価格が上昇トレンドを描くと仮定します。選択を誤れば、計算はそのまま自分に牙をむきます。
グリッドボットの仕組み
グリッドボットは、自分で決めたレンジの中に、一定の値幅で買い注文と売り注文を並べます。価格がそのレンジ内で上下するたび、高い水準で売り、低い水準で買い戻す。値動きのノイズをそのまま利益に変える仕組みです。(グリッドボットの詳しい解説はこちら。)
ボットは、価格が次にどちらへ動くかを気にしません。気にするのは、価格が動くかどうかです。勝ち筋は、連続する約定の間の値幅。負け筋は、価格がレンジを抜けて二度と戻ってこないことです。
DCAボットの仕組み
DCA(ドルコスト平均法)のボットは、スケジュールやシグナルに従ってポジションを積み増します。一定額ごと、一定の下落幅ごと、あるいは指標のトリガーごとに。価格が下がるほどポジションは大きくなります。狙いは単純で、平均取得単価を下げ、反発で降りることです。
DCAは、荒れながらも上を向くトレンドや押し目局面では非常に有効です。危険なのは長く続く下降トレンドです。価格が下がり続ける一方で、ポジションだけが膨らみ続けるからです。ボットは資金がある限り買い続けます。トレンドが崩れていても、です。
横ばい相場 — グリッドが勝つ
BTCが数週間にわたって$58kと$68kの間を行き来しているとき、グリッドボットはまさに設計どおりの働きをします。一往復ごとに利益が生まれます。価格がレンジの中にとどまる限り、ボットは小さな勝ちを刻み続けます。
リスクはレンジ抜けです。価格がレンジの外へ出ると、ボットは不利な側でポジションを抱えたまま取り残されます。レンジは保守的に設定し、レンジが崩れたときの撤退計画を用意しておくことです。
トレンド相場 — DCAが勝つ(崩れるまでは)
規則的な押し目を伴う明確な上昇トレンドは、DCAの領分です。押し目ごとに買い、トレンドが息切れしたら降りる。予想以上に価格が下げたときでも計画を守り抜くという退屈な仕事を、ボットが引き受けてくれます。
致命的なのは相場局面の転換です。ボットは落ちてくるナイフに向かってDCAを続けます。解決策は「もっと優れたボット」ではなく、相場局面の見極めです。トレンドフィルターが崩れたらDCAを止める。あるいは、全体のドローダウンを守る撤退条件とDCAを組み合わせることです。
知っておく価値のある折衷案
もう一段洗練された方法が、両者を組み合わせるシグナル制御型のDCAです。TradingViewのシグナルや移動平均のフィルターを使って、そもそもDCAを動かすかどうかを判断します。シグナルが「トレンドは健在」と示す間は押し目を買い、反転したらボットは積み増しを止め、保有を続けるか手仕舞います。
これによって、DCAのもっとも愚かな形(下降トレンドへ延々と平均化していくこと)を避けられます。しかも、そもそもDCAを機能させている退屈な規律は手放さずに済みます。
よくあるご質問
よくあるご質問
- グリッド取引とDCAの違いは何ですか?
- グリッドボットは、定めたレンジの中に一定の値幅で買い注文と売り注文を並べ、方向を問わず往復の値動きから利益を取ります。DCAボットは、価格が下がる過程でスケジュールやシグナルに従ってポジションを積み増し、買いポジションを平均化します。グリッドは相場が往復することを、DCAは相場が回復して上昇することを前提にしています。
- グリッドボットとDCAボットはどう使い分ければよいですか?
- グリッドボットは、価格が既知のチャネル内で上下する、明確な横ばい・レンジ相場で使います。DCAボットは、規則的な押し目を伴う上昇トレンドで、長期的な見立てが強気のときに使います。強い一方向の値動きではグリッドボットを避け、下降トレンドが確認された局面では純粋なDCAを避けてください。
- グリッドとDCAの戦略は組み合わせられますか?
- できます。TradingViewのシグナルや移動平均のフィルターでDCAを動かすかどうかを判断するシグナル制御型のDCAは、下降トレンドへ延々と平均化していくという最悪のケースを避けられます。定めたレンジ内のグリッドと、レンジを抜けたときに備えるDCAを組み合わせることも可能です。
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